Cahier-Sonore
音の手帖
2021.7.2
解説に代えて
『フルートとピアノのための「Veil」』
『ソプラノと2台のピアノのための「Ave Maria」』
永遠に女性的なるもの、我等を引きて往かしむ。
(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』より)
−失われた青春、若さを得るために、その引き換えとして魂を売ったファウストは、その終焉の瞬間、「永遠に女性的なるもの」によって救われる。―
「女性性による救済」というモティーフはヨーロッパの(とりわけドイツの)芸術にしばしばみられます。
2015年と2016年に作曲した『フルートとピアノのための『Veil』』と『ソプラノと2台のピアノのための「Ave Maria」』では「女性性」が創作のきっかけになっていました。当時はそのイメージを膨らませるためにジョルジュ・バタイユや澁澤龍彦の著作を読み込んでいましたが、今になって考えてみますと私にとっての「女性性」はむしろ「優美さ」や「純潔さ」であって、それはグレートヒェンのイメージと重なるものでした。
「ヴェール」、そして「アヴェ・マリア」は両方ともカトリシズムによって結びつけて考えることができ、それぞれは純潔さと繋がります。「ヴェール」はヨーロッパに古くから伝わる純潔さを守るために身につけるものとして。そして「アヴェ・マリア」はまさに純潔性、処女性の象徴として。
この「女性性」のイメージがこの2曲の創作のきっかけになりました。今後準備が整えば、音源を公開したいと思います。
「女性性による救済」というモティーフはヨーロッパの(とりわけドイツの)芸術にしばしばみられます。
2015年と2016年に作曲した『フルートとピアノのための『Veil』』と『ソプラノと2台のピアノのための「Ave Maria」』では「女性性」が創作のきっかけになっていました。当時はそのイメージを膨らませるためにジョルジュ・バタイユや澁澤龍彦の著作を読み込んでいましたが、今になって考えてみますと私にとっての「女性性」はむしろ「優美さ」や「純潔さ」であって、それはグレートヒェンのイメージと重なるものでした。
「ヴェール」、そして「アヴェ・マリア」は両方ともカトリシズムによって結びつけて考えることができ、それぞれは純潔さと繋がります。「ヴェール」はヨーロッパに古くから伝わる純潔さを守るために身につけるものとして。そして「アヴェ・マリア」はまさに純潔性、処女性の象徴として。
この「女性性」のイメージがこの2曲の創作のきっかけになりました。今後準備が整えば、音源を公開したいと思います。